声をあげる少数者、抗議する被害者に侮蔑の言葉とさげすみの笑いを投げつけ、「もの言う人々」を憎悪するのが杉田水脈氏の流儀。 「差別はしていない」 「女はいくらでもウソをつける」
以前から差別発言を繰り返していた杉田水脈氏を政務官に起用した以上、責任はすべて岸田首相にある。「差別は許されない」と社会に訴えるのではなく、差別主義者であっても政府の要職につけて問題ないと判断した岸田氏の罪は重い。
右派は人権という概念そのものを忌避し否定する。人間の関係を律するのは人権ではなく、強者と弱者の「支配・従属関係」であり、弱者の強者に対する忠誠(道徳)であると考えるからだ。強者のために世界はある、平等なんてあり得ない、弱者は声をあげるな。杉田水脈氏の言動をみればよくわかる。
岸田首相はなぜ杉田水脈氏を総務政務官に起用したのか。党内基盤の弱い岸田氏。結局は自民党右派に見放されないための方策の一つなのだろう。差別的な発言を繰り返そうが、人権感覚ゼロであろうが、自分の保身のためなら何だっていいと。何が「適材適所」だ。酷いもんだ。
「生産性がない」発言の杉田水脈政務官の任命責任について、岸田首相「(発言について)本人もしっかり説明した上で内閣の方針に従って、職責を十分に果たしていただきたい」。 論点をずらしている。首相自身はどういうつもりで任命したのか。そこが問われているのに。
きょうの読売新聞が1ページ全面をつかって「基礎からわかる安倍氏国葬」という特集記事を掲載している。ところが、その内容は政府の説明をほぼ忠実になぞるだけ。統一教会と故人との関係が国葬の是非をめぐる一つの焦点なのに、統一教会の「と」の字もない。さすが読売というべきか。
加藤官房長官(当時)「虚偽答弁の定義がない」「病床ひっ迫の定義がない」 菅首相(当時)「政治責任という定義はない」 杉田水脈政務官「統一教会関連団体の定義がわからない」 「定義」で逃げるのは自民党のお家芸。 スカンクの悪臭を放って逃げるが如し。
「(統一教会から)金銭的な支援や人的支援などを受けたことは一切ありません」杉田水脈氏。 「女性はいくらでもウソをつける」杉田水脈氏。
あの「生産性」発言や「女性はいくらでもウソをつける」発言などをみれば、杉田水脈という人は、統一教会との関係が仮になかったとしても、政務官などという役職につけてはならない人。というか、なんでこの人が国会議員なの。
自民党は例のホープ吉川氏を離党させたはいいが、議員辞職しないので頭をかかえているのだろう。非難は結局、自民党にくる。参院選に悪影響がでかねない、と。しかし、そもそも比例名簿にあの人物を載せたのは自民党。自業自得というほかない。